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中間報告9 2020年1月13日



自分の成人式の記憶はすっかり希薄なんだけど、昨日は成人式を迎える子の着付けに付き添いました。ヘアが出来上がった頃にのぞきに行ったら、すてきな美容室でイケメン美容師さんにたくさん話し合いをして納得した髪型にしてもらっていて、ほんとに嬉しそう。


数年付き合いがあるけど、こういう顔は初めて見た!


写真を撮られるのも嬉しそうだし、あとからこのときの写真送ったら、秒で「ありがとうございます!!」と返信が。


これまでにこんなことは一度もなかった(笑)


自分の思いを人に伝えて、それをやさしく熱心に聞いてくれる人がいて、自分の願いが願ったとおりに形になっていくという体験が、彼女には本当に希少で今それが起こっているんだなあと思いました。

いっそ嫉妬しちゃうくらいの大満足っぷりでした。


お支払いのあとには、「祝成人」とメッセージも書かれた「〇〇さん」あてのプレゼントがお店の人から手渡されていて、なんかもう、一瞬固まっていました。

私も横で感激。

すてきだね、きれいだね、と言われながら、かかとの高い厚底のブーツを履いて、着付けの場所に移動しました。


着付けは別の美容室で。

こちらは背筋の伸びた年配の女性で、「先に搾乳して」「なんか出ないです」「出したら出るから出して」、「出産○ヶ月でこんなにお腹へっこんでてえらいね!」、慣れていないので早い段階でグロッキー気味の彼女に容赦なくひもを結んでいき、そのたびに「苦しい?」「苦しいです」「そう、でも緩めないわよ」というやりとりが繰り返されていて、横で笑いました。


日本では身近な人ともあまり身体接触をしないので、着付けのときにひもを回しながら抱き合うみたいになるの、普段にはない距離感で、お母さんでも、ほかの人でも、照れくさくて嬉しくて愛されてるなあというような気持ちになるのですけど、私は、彼女もそうだといいなあ。

でも、そんな余裕はない、というようにも見えました(笑)


彼女に合う帯がつくれるように、別の人にモデルしてもらって練習もしたのよ、とおっしゃっていて、上品できれいな帯を縦目にすっきりと、でも可愛らしく結っていただきました。


「子育てもしながらえらいわね」「成人式は特別だものね、私のときは大阪から東京まで着物を着て電車で行ったのよ、混み合ってて立ちっぱなし」「着物着るときは、丹田に力を入れてね」などとアドバイスもしてくださりながら、きれいに着せてもらいました。たくさん写真を撮って、きれいきれい、背も5センチ高く見えるよ、と。


着物にしては口元がさみしいよ、と言っていたら、口紅もたくさん出して、気にいるのがあったらこっからつかってーって言ってくださって。

うーん、と言いながら選んでつけていました。

着物だと赤みがあったほうがいいよ、というアドバイスに、従いながら多分、いまいち納得していない(笑)


彼女はとっても上手にきれいに自分でお化粧をしていて、彼女なりの完成形があって、外野の助言は微妙な存在。

ところで、そのあと、金粉かける? と言われて、これとっても上等のものよ、ってラメのスプレーをみせられたときには、ぱっと顔が輝いて、「つけます!」と即答。


きれいカールしてもらった髪にキラキラをふりかけてもらって、「あなたが動くと光るのよ」と言われて、なんだかもうお姫様みたいになっていました。


みんなが、あなたが思い通りのきれいな姿で楽しい時間が過ごせるように、思いを尽くし技術を尽くす、時間をかけて手をかける、そういうことが世の中で起こるのだということを彼女が知ったならば、この先ずっと生きていくためのよすがのようなものになるだろうと思いました。


成人式の会場に送り届けたあとで、なんだか急にちょっと泣きました。


こんなことを思いついて、たくさんそれは大事! と協力してくださるみなさんがいて、世の中素晴らしい、と思いました。

ありがとうございます。


幸せそうな人を横から見ているのはとても幸せでした。

(上田)

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